March 2008

March 3 Monday 2008

■若干の修正

そういえばずーっと「about me」のリンク先ファイルを作っていませんでした。「それもちょっとなあ・・・」という感じなので、とりあえず控えめに個人情報っぽいことがわかるページへのリンクだけ付けておきました。

March 1 Saturday 2008

■リハビリ

ものすごく久々に更新してみます。実は日記生成スクリプトの使用法忘れていたりしてます。前の設定では2006年までしか記述できない仕様にしていたのを覚えていたので、まずそこだけ書き換えました。それにしてもBlogとか、猛烈に昔の話に思えるなあ。ま、ここはナンチャッテBlogモドキ日記だから関係ないといえばないけど。

そして懸案だった過去の記事Archive化ですが、とりあえず手作業でやってみました。Corpusからリンクしてます。PermalinkとCorpusの機能が重複気味だったので、こんな感じにしてみました。2007年にも一回くらい更新しておけば良かったかな...。

■ことばの意味とは何か

色々(ハンパなく)行き詰まっているのですが、とりあえず『ことばの意味とは何か』についてでもアレコレ語ってみますか。浅学のためフランソワ・レカナティという方のことは全然知らなかったのですけど。内容は色々な意味で興味深いです。たくさんのヒトがこれ読んでくれると、たぶん私のようなものがやっていることも今より少ない苦労で理解を得られるようになるんじゃないのかなあ、とか期待したりしてます。

えー、私は昔から結構不思議に思っていたことがあって、それは三浦つとむ、時枝誠記、おまけで吉本隆明あたりがしていた変なソシュール批判はアレ、なんだったのだろう...っていうのです。三浦&吉本は時枝が行なっていた批判にただ乗っただけかな、というのが従来の私の認識で、時枝に関してはソシュールのソシュールっぽいところじゃなくて、その背景にあった欧州言語学の性質みたいなもの方に反応してたんじゃないかなあ、と理解してました。『国語学原論 』というタイトルは、小林英夫訳『一般言語学講義』がもともと『言語学原論』だったことに由来すると聞いたことがありますし。

なんでしょうね、このあたりの経緯は明治になって欧州詩などが日本で紹介されたときに、かなり破格なものであった象徴詩なんかが寧ろスタンダードなものとして誤解されたあたりと似た事情なのかな、と思ったりします。

うーんと、で、なんか時枝たちのソシュール批判の内容を端的に書こうとすると、こう上手く要約出来ん感じです。なんだろうな。ラングとかいって固定された規則の体系を想定しているのがけしからんとかなんとか、そんな感じかな。ザックリ言うと。

パロールが〜、とかアナグラムが〜、とかとか色々言ってたようにも思いますが、なんだか要領を得ない。それが何で批判ポイントになるのかね?というのが正直な感想でした。言いがかりだろ、それ、みたいな。

1にも2にもソシュールの功績は、欧州言語学の伝統であった名前とモノとの間に不可分の関係があるという名詞論を「そんなの恣意的なんだよ!」と否定したことにあるんで、全然関係ない話だしてどうする気なんだろう、って感じです。そんで言語の恣意性を強調するときに、これはどうしても唯言語主義的な主張の方に大きく振れてしまうのもこれまた仕方がないですよね。言語と現実世界との間にある直接の繋がりが、それまで思われていたのとは違って実は存在して無くて、概念規定網とその各網の目に恣意的に付けられたラベルという関係が世界を覆っているだけ...みたいなイメージ。でもこれはどっちかというとソシュールというよりサピア=ウォーフ仮説のイメージかな。

話が長くなるので端折りますが、現実世界から切り離された記号の体系、そして差異というか関係の体系みたいなものを研究の対象とする...という考えかたは私にとって大変好ましいのですが、これはこれで結構微妙なものだったのだなあ、というのが、ようやく最近わかってきたんですね。遅いですけど。

一つには記号の体系っていうことを、記号論理学で扱える対象みたいに考えてしまう人達がいることとかに、なんというのか気づいてませんでした。ここでたぶん体系というか規範というかシニフィエとシニフィアンのセットが「固定」されているという考えから生じる不具合が発生しているんですね。そう考えれば確かに問題かも。

えーと、このままだと『ことばの意味とは何か』の話をするまでの前振りが異様に長くなってしまうので強引にヒトコト言及して終りにしときますと、レカナティがいう literal meaning と訳者の今井邦彦先生がいう字義主義の対象はどうも微妙にズレているように思えるのですよ。あとがき読んだ感想だと。私はたぶんレカナティが言う意味ではコンテクスト主義者で、今井先生のいう意味ではたぶん字義主義者ということになってしまうのではないかな。

こんなことメモっただけでは何考えているのか分からんと思いますが、まあ、今日はこんな感じで。語学教育とかレトリック研究とかそういうのとの絡みのアレコレについてとか言いたいことはあるのですが、キビキビまとめてわかりやすく書くのはシンドイのでまた機会があれば...。

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